2022-11-01
今回は相続予定がある方へのお役立ち情報として、遺産相続における分割方法のひとつである代償分割について解説します。
代償分割とはどんなものか、その概要を解説したうえで代償分割のメリットとデメリットおよび遺産分割協議書の書き方なども解説しますのでぜひ参考にしてください。
代償分割とは、相続人のうちだれか1人が相続財産を取得し、他の相続人には代償金を支払って清算するという遺産分割方法です。
代償分割の例としては、たとえば「相続財産が資産価値3,000万円の不動産だけであり、相続人が子ども2人であった場合、長男がその不動産を取得したうえで1,500万円を代償金として弟に支払う」などが挙げられます。
遺産相続において代償分割という遺産分割方法を選ぶメリットは、不動産を共有名義にしなくても比較的公平な遺産分割ができることです。
また、不動産を売却する必要がないので「親の財産である家を残したい」という方にも適しており、逆に不動産を相続したくない方にとっては売却の手間をかけず代償金をもらえるというメリットがあります。
代償分割のデメリットとしては、代償金が支払えなければ代償分割という手段が選べないことや、不動産の資産価値の評価額をどう決めるかでもめるなどのトラブルが発生しやすいことなどが挙げられます。
遺産分割において代償分割をする際には、相続人全員の合意のもと、遺産分割協議書を作成する必要があります。
遺産分割協議書の書き方はインターネットなどでひな型が公開されていますが、代償分割をする際に気を付けなければいけないのは、代償分割についての文言を必ず盛り込む必要がある、ということです。
たとえば「甲は、第○項に記載の遺産を取得する代償として、乙に対し、金○○万円を令和○年○月○日までに支払う」などの文言を入れるようにしましょう。
書き方を間違ってしまうと代償金ではなく贈与とみなされ、贈与税が課せられるおそれがありますので、難しいと思った場合は専門家に依頼するのがおすすめです。
また、代償分割をした際の相続税の計算方法にも注意が必要です。
代償金を支払った相続人の課税価格の計算方法は、相続した遺産の価額-代償金の価額です。
そして代償金を受け取った相続人の課税価格は、代償金の価額+代償金以外に相続した遺産があればその価額となります。
つまり、代償金の受け渡しも相続税の課税対象になる、ということです。
遺産相続において代償分割という遺産相続方法を選ぶことにはメリットもデメリットもあります。
相続人のうちの誰かがどうしても不動産を相続したいと考えているような状況であれば、代償分割を検討してみても良いでしょう。
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