2022-06-28
「まとまった資金がほしいので家を売却したいけれど、できればそのまま家に住み続けたいという気持ちもある」という方におすすめしたいのが、リースバックという手法です。
今回はこの「リースバック」をテーマとして、その概要やメリット・デメリットなどを解説していきます。
リースバックとは、家を売却してからその家を賃貸物件として借り、家賃を支払いながら住み続けるという仕組みのものです。
家を売却するまでその家は「持ち家」ですが、リースバックを利用すると「元は持ち家だったけれど、今はその家を賃貸物件として借りている」という形になるわけです。
住宅ローンの残債がある家でも、売却代金で完済すればOKですのでリースバック利用に問題はありません。
ちなみにリースバックと比較・混同されがちなものとしてリバースモーゲージというものがありますが、リバースモーゲージは家を売却するのではなく「家を担保にしてお金を借りる」という、全く別物の制度です。
リバースモーゲージで借りたお金は毎月利息分だけを返済し、元金は契約者死亡後に現金一括返済または不動産の売却代金で返済する、という形になります。
不動産を買い取った業者と賃貸借契約を結び、家賃を支払いながらそのまま住み続けるというリースバックの最大のメリットは「住み慣れた家で、家賃支払い以外は今までとほとんど変わらない生活を送りながら、売却によるまとまった資金を手に入れられる」ということでしょう。
固定資産税や各種メンテナンス・修繕のための維持費は貸主負担となるため、これらの負担から解放されるのもメリットといえます。
あと「ご近所に不動産売却したことを知られずに済む」ということに魅力を感じる方も多いですよ。
リースバック最大のデメリットは「一般的な不動産売却と比べると、リースバックによる売却価格は安くなってしまう」ということです。
また、いくら元は自分の持ち家であったとしてもリースバック後は賃貸物件扱いとなるので、自分で勝手にリフォームなどはできないというデメリットもあります。
そして、デメリットというか大きな注意点として挙げられるのが「リースバックの賃貸借契約の多くは定期借家契約であり、原則として契約期間の更新はない=いつまでもその家に住み続けられるわけではない」ということです。
借主の意向で契約更新可能な普通借家契約であればこの点は問題ありませんが、賃貸借契約の種類には注意しておきましょう。
まとまった売却資金を手にしつつ住み慣れた家に住み続けられるリースバックは魅力的な手法ではありますが、売却価格の安さや賃貸借契約更新ができないことなど、大きなデメリットや注意点もあります。
目先の資金だけに飛びつかず、総合的な判断をして利用するかどうかを決めましょう。
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